ネトゲ、宝塚、そして今はドール
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2016.05.12 Thursday... - / -
...みんなの夢
 未完の文章ですが、けっこう長く書けたので、ここに載せる事にしました。
現在書いている途中の物語のサイドストーリーみたいなものでしたが、
オチがつけられず、ボツにしてしまいました(;△;)

けっこう暗いお話です。

タイトルは、あまり気にしないでください(笑)
本当は色んな人の「夢」について書くつもりだったのが、
一人目で断念してしまっただけのことなので。


ついでに書き途中の物語は、マーオが主人公の話になっています。
舞台はミルドですが、道太郎も十郎も正武もマウラもミルドに合わせて、
けっこう変更してしまいました。
ごめん、道太郎。
主人公にしてやれなくて_| ̄|○


ついでにオフは相変わらずの忙しさです(笑)
某先生の研究のお手伝いをさせていただけたり、
なかなか充実していますが、
その手伝い内容が、
私の苦手な小論文を書くこと_| ̄|○

私が本格的に文章を書く気になった小論文作成。
万年「D」判定の小論文(;△;)
「下手な人でもいい」
っていうことがせめてもの救いだ。

ただまぁ……
勉強面では、
看護学と看護師の初歩的な技術でつまづいてます_| ̄|○
目指すべき上は、見果てぬ空の彼方です\(^▽^)/
上がりがいがあるってもんだ〜い。



  みんなの夢
 
  俺は生まれつき体が弱かった。
  取引先をたくさん抱えるクロゼット商会の会長の息子として生まれたから生かされているだけで、貧乏に生まれていたら、きっと森に捨てられていただろう。それくらい働けなかったし、寝込んでばかりいた。
  成長して学校に行ける歳になっても、人にうつる病気だったらといって、俺は学校にも行かせてもらえず、いつも家の書斎で本を読むばかりの生活を強いられていた。
  いつも書斎にいるといっても、兄弟達が学校に行っている間だけで、それ以外は地下の部屋から出してもらえなかった。
  地下から書斎まで連れて行くのは商人のしたっぱをしている若いやつの仕事だった。サンといって、商人を夢見て、この家に転がり込んできたのはいいものの、性にあわず、辞める時を狙っているようなやつだった。
「まだ辞めないのか」
 これは俺の口癖だった。朝の決まりきった挨拶など言う前に絶対に言っていた。
「まだ辞めませんよ」
 そう言って、微笑むような優男だ。女にはモテるが、人の神経を逆なでするような言葉を平気で言う。
「あなた様こそ、まだ死なないのですか? 不治の病なのでしょう?」
 そのせいで俺は不自由な生活をしているというのに――なにもかもわかりきった上で言ってくるので腹が立つ。しかし、こいつだけだった。本音を言ってくるのは。他の奴らは見え透いた嘘を吐くか、俺なんか最初からいないようにする。特に兄弟達は俺を兄弟だとは思っていない。使用人の誰かの子どもだと教えられて育っている。そう教えているのは父親だった。その現場を目撃して以来、あの男を父親だと思っていないし、この家の子どもでいるのはもう耐えられない。俺もサンのようにこの家を出て行く隙を伺っている。
「俺の傍にいると、俺と同じようになるぞ。なりたくなければ、さっさと消えろ」
 消えろ。
  これも口癖になっていた。
「消えてほしいのは、その痣でしょうに」
 書斎に着き、去り際にそう言われた。確かに俺には痣がある。病気によってもだが、それで隠すように両親からの傷もあった。
  書斎に一人、押し込められて考えていた。書斎にいるからといって勉強するわけではない。まぁ、とっくの昔に書斎の書籍はすべて読破している。流し読みだが。
  俺の病は体中に痣ができるものだった。生まれたばかりの頃はかすり傷程度の痣が、今や顔や体を覆いつくすようにある。それらは痛みこそなかったが、見る者が俺を避ける要因にはなっていた。
  この症状のある病気についての記述は一切なかった。
  外に文献を探しに行くことはできなかった。一度屋敷からの脱走を試みたが使用人に見つかり、俺は気絶するまで殴られた。
  そんなことを考えながら過ごしていると、あっという間にサンが迎えに来る時間になっていた。サンは相変わらず減らず口をたたいていた。
「クロゼット家は私らしたっぱのことなど消耗品にしか思ってないのでしょうか。ストレスがたまってたまって仕方ありません」
「なら出て行けばいい」
 いつもなら『いずれ消えますよ』と言っていたが、今日は違っていた。
「夢のために頑張っているんですよ。あなた様に夢はあるんですか?」
 言葉に詰まった。
「消えたい」
 サンは微笑んでいた。微笑んだ笑顔は、どす黒い裏を隠すようだった。
「そう顔に書いてますね。図星ですよね。だから私はあなた様を消しません。むしろ生かしてあげましょう」
「言っている意味がわからない。ずっと頭がおかしいと思っていたが、本当におかしいんだな」
「えぇ、私は頭がおかしいですよ。今から行うことは誰にも許されないでしょう」
 俺にはサンの言っている意味がわからなかったが、わかろうとは思わなかった。俺はなんだか近い内に酷いことが起きるような予感がしていた。


(未完)


クロゼット商会が盗賊に襲われたり、主人公とサンが表舞台では入れ替わって父親を失脚させようとしたり、主人公が幽閉されたり、色々考えたのですが結局、答えが見つからずにボツ_| ̄|○



2009.10.28 Wednesday... comments(0) / -
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